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人形修理職人ネットワーク 福田匠庵

人形修理職人ネットワーク 福田匠庵とは

思い出がそれぞれの形をしているように、人形修理もひとつの技能では解決できません。お客様にとって唯一の人形修理に取り組むには、唯一の技を持つ職人が「集まる」必要があります。
職人技術や心は「唯一」のものです。マニュアル等により、均一化されるものではありません。そして、ここ京都には、マニュアルにはできない、豊かな心と伝統技術が連綿と受け継がれています。この町に育った「唯一の技と心」をもつ職人達の集まり。それが福田匠庵です。

人形修理職人ネットワーク
福田匠庵
主宰 福田眞一
保護と復元
7月20日 春日大社別館において

(財)元興寺文化財研究所 山口章氏による「人形彩色の剥落止め処置と修復材料としての膠について」の講義を聞いた。

今ここで「修復材料としての膠について」の話をするつもりはない。問題は「人形彩色の剥落止め処置」その後の事である。研究所によるところ、樹脂や膠を使って剥落止めをする。人形表面のひび割れは残ったままだ。髪の植え直しはせず、衣裳は取り替えない。見た目には何も変わっていない。つまり、何も変わっていない事を目的としている。文化財保護の立場を果たした事になるのだ。

私の工房で主に行っている修復は剥落止めをしたあと、なくなった手足や胴体を復元して、顔の染みを取り除きひび割れは埋め戻して見えなくなる。必要によっては眉や口朱を加筆している。
多くの場合、大切な人形が戻ったと喜んでいただいている。しかし、また、表情が違うのでやり直して欲しいと云われる事もある。

どこに到達点を見い出すかの日々である。
人の形をした人形、それを愛しむ人の心の形にしたいと願っている。


主宰代理 河原淳
by fukudashoan | 2008-07-20 21:00 | 修理について
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